ピアノ弾き語りのスタイルで活動を続けていた"逢沢ハナ"が活動休止をアナウンスしてからおよそ半年、2017年9月28日の公演より活動を再開することがアナウンスされた。
彼女が活動休止していた半年間の間、一体何をしていたのか、そして何を思い活動再開に至ったのか、短い間ではあるものの、確実に彼女に変化を与えたこの半年間のことを赤裸々に語ってもらった。

(インタビュー:になみ)

ーかなりお久しぶりにお会いしますね、ジャスティン(猫)元気?

ほんとですねー!かなりお久しぶりです!ジャスは相変わらず大暴れですよ。

ー最後に天窓系列へ出演されたのは「天窓アワード2016」だったと思うんですが・・・それから今年3月に活動休止を発表し、今に至りますが。

約半年ぶりくらいになるんですかね

ーそうですね、この度活動再開するということで、天窓でもこうして取材をさせてもらってるわけなんですが・・・活動再開となるのが、9月28日に原宿にあるミュージックレストランラドンナで開催されるイベントへの出演ということで・・・そもそもどうしてここを活動再開の日にしたんですか?

えっと、実は活動を止めた時に半年くらいはお休みしようと思っていたんです。それで半年経っても活動再開できなかったら、今度はきっぱり一年後にまた考えようと思って止めてたんです。
それで実際に半年経ってみて、今の自分どうなったのかなって一度冷静に考えてみたりとか、じゃあ実際にまた音楽に向き合える状態に色々整理がついたのかなとかも考えた上で、大丈夫!と思えたのできっちり半年で復帰しようということになって。

ー 一度ニュートラルな状態で自分を見つめ直すために最低でも必要な時間が「半年」だったんだ。

そうだと思います。自分では半年くらいだとまだわかんないかなって思っての、ダメなら1年後にしようという弱気な考えだったんですけど、実際に半年経ってみたら思いの外自分の中も外も状態が整っていたので驚いてます。

ー復帰ライブとなる9月28日のイベントは逢沢さんがお世話になっているボーカルスクールの先生のイベントと聞いたんですが、イベント出演が決まった経緯はどういうものだったの?

私が凄いお世話になっている”杉浦良美先生”という方がいるんですけど、先生から一緒に演らないかという形でお誘いいただいて・・・復帰のタイミングにお誘いをいただいたのでせっかくのご縁だし、ここを復帰ライブにしようと思って出演を決めました。

ー詳細を見ているんだけど、”逢沢ハナ(Vo)”という表記で掲載されているってことは、SSWとしてではなく、ボーカリストとしての出演になるの?

あ、そうなんですよ!私この日ピアノ弾かないんです!

ーということは、弾き語りSSWとしての復帰という意味合いとは少し違ったニュアンスのイベントになりそうだね

あーなるほど!どうなんですかね・・・そもそもSSWってどの形がSSWなんですかね?(笑)

ーあはは、確かに決まった形はないですね。よく言うのは”自身で作詞作曲をして演奏する”みたいなのをSSWと言うことが多い気がするんですが、僕らみたいな職業はSSWといったらこれ!みたいな固定概念に囚われてしまうことが多いから、僕は自称したら全部SSWと受け入れるようにしてますが(笑)

あはは、なるほど、になみさんらしいですね!

ーということで、復帰ライブは今までの弾き語りでのスタイルではなく、ハンドボーカルスタイルでのライブになるということでいいのかな?

そうですね、サポートの方に私の曲を演奏していただいて、私はボーカルとして参加します。

ー弾き語りじゃない逢沢ハナって僕は今の所見たことないんだけど、よく楽器をもって歌う人が楽器無しで歌おうとすると手持ち無沙汰になるみたいなことは聞く話だけど、逢沢さんの場合はどうなの?

それが私、実はピアノ弾きながら歌うほうが違和感で(笑)

ー衝撃の事実ですね、ものすごいイキイキとピアノ弾き語りしてるように見えたんだけど

勿論、ピアノ弾き語りのスタイルは楽しいんですけど、元々はそうじゃなかったんですよ!
高校生の時にやっていたユニットが今の音楽の源流なんですけど、その頃はギターを弾く人がいて、私は歌だけ歌うって形でずっとやっていたので、ハンドボーカルっていうのがむしろ懐かしさがあるくらいで。

ーそれじゃあこの復帰ライブ以降、ハンドボーカルのが楽しくなっちゃったらユニットでの活動みたいなのをする可能性もあるんじゃない?

あーどうなんでしょうね・・・でもサポートとかをお願いするとなったらお願いしよう!って方は考えてたりします。

ー復帰ライブ以降の活動は何か決まっている?

えーと現状だと恵比寿天窓switchで10月に1本と11月に渋谷で1本・・・あとは誕生日付近にまた何かあればなとは思ってますが、まだ未定です。

ー以前であれば月に何本もライブをやって、とにかく現場主義で自分を固めて行こうみたいな考え方だったような気がするんだけど、活休前と活動再開後でそういった感覚の変化があったのかなって思うんだけど

そうですね、前よりもライブをする回数自体は減ってしまうと思います。というのも、ライブ以外の活動も活発にしていきたいなと思っていて。

ーそれはやはり、活動休止中にライブ以外のことに触れてみて至った考えなのかな?

活休の間はボイストレーニングに通ったり、後は作曲家として自分以外に楽曲を書いたりする機会が多かったりして・・・なので音楽自体にはずっと触れていたんです。
そんな中で、作家としての活動が思いの外楽しかったのもあって・・・以前はライブをしてお客さんに見てもらうことが表現の全てだったり、音楽と繋がることだったんですけど、今の自分はライブ以外でも音楽と付き合える方法を見つけられたので、前ほどライブ!ライブ!ってならなくはなりました。それがいいのか悪いのかはわからないけど、ただ前よりは余裕をもって音楽に取り組めてるのかなとかも思ったりしていて。

ー”思春期が終わった”感じがありますね

なんですかそれ(笑)

ーなんかこう・・・アーティストって”自分がー!!”ってなることが普通だとは思うんだけど、思春期が終わると自分のこと以外を面倒見れるようになるというか、視野が広がるというか、僕はそんな感覚があるなと思っていて、逢沢ハナの思春期が終わった事で、音楽をつくるスタイルが多角化したのかなって。

あーなるほど。私やってみてわかったんですけど、今までは自分のありのままを表現したいと思っていて、ライブなんかでもいかに自分を晒けだせるかみたいなところを意識してたんですけど、そうは言って見ても”ありのままの自分”ってのも表現するのが凄い難しくて悩んでたんですね。
だけど今回誰かに曲を書くとなると、色々な人の考えとか意思とかを聞いて、それに寄り添って形にしていくっていう作業が凄い楽しいし、発見に溢れていて、かつ全然自分の負担にならなかったんです。

ー自分の表現したいものを自身を削り取って出していくという作業よりも、誰かの作りたいものを削り出していく作業が実はものすごく相性がよかったと

はい、自分でもびっくりするくらい違和感無しにそれが出来てかつ、ストレスフリーに曲が書けるんですよね。自分を削り出して表現していく作業の時は本当にボロボロになってしまって、心も体も荒んでしまったりとか多かったんですけど、そういったこともなく、自分が作ったものと向き合える喜びみたいなものを発見できたんです。

ーここに来て、自身の音楽活動のバランスの取り方を会得したようなものなんだね。

そう思います。だからSSWとしての活動と並行して作家としての活動もしていきたいなとも思っているので、以前のライブを繰り返して自分を削り出していくという形ではなくなるかなとは思います。

ー作家としての頭がむしろ自身のSSWの活動をプロデュースし始めるのも時間の問題なのかもね

あ、でも今回の復帰ライブに向けて、実は新曲を書こうと思ってるんですけど、いざやろうと思うとボロボロになりながら全然書けない!ってなってます(笑)

ーあはは(笑)じゃあまだまだSSWの時の逢沢ハナも苦しみながら健在なんだね

まだ全然います!作家の自分とどういう距離感になるのかは私もわかんないですけど楽しみ。

ー活動休止期間に自分を振り返ったりとかはしたのかな?

そうですね、個人的には本当に人生の分岐レベルの大きな出来事があって、本当に人生いつ何どき何が襲ってくるかわからないなとかは強く思いましたね。
そもそも振り返ってみたら私の人生ってかなり波乱万丈なめちゃくちゃな道筋だったということがこの期間に改めて思い知って、今までは特に意識したことはなかったんですけど”ハナちゃん、それやばいよ”って言われて初めて気がついたというか・・・そうした状況に立たされた時に”死ぬまでにやれることは全てやっておかないと”っていう危機感が凄い芽生えたんです。
それらをこの活動休止の半年で整理しながら、自分が本当にやりたいことを全て並べていって、全部やる準備を半年間で整えてみようと。

ーそうした考えの変化が起こった上でのやりたかったことの一つが作家だったんだね。

残せるものを作りたいって思ったんです。いつか私が音楽をやめてしまったり、世の中から消えてしまっても、何かを残してあげたい。人の記憶に逢沢ハナという形じゃなくても何かしらの私が作ったものの記憶を残したいって思ったら、想像してたよりも時間が足りない!ってなってます。

ー多角的に音楽と向き合えるようになった中で、今自分が目指す”逢沢ハナ”はどこへ向かっていくのかな?

うーんそうですね・・・作品を作っていく意識そのものは変わったかもしれないんですけど、実は逢沢ハナとしての向かうべき先や道とかはあまり変わってないかもしれないです。

ー以前のハナちゃんは”プロモーションとか映像とかわかんないことはわかる人とやりたい”ってよく話をしてたと思うんだけど、その基本線は変わらないってことかな?

そうですね、以前に比べるとどう音楽を売っていくのかとか、映像作品はどう作っていくのかとか、そういったシーンに触れる機会は本当に増えたんですけど、それを経ても尚、自身のSSWとしての活動に関しては映像は映像のプロに作ってもらいたいし、CDを売ることはCDを売るプロに任せたいし、私自身はあくまで音楽を”作って出す”ことに専念したいなとは思ってます。

ー音楽の作り方は多角化したけど、売り方までは意識して動くのは人に任せたいってこと?

そうです!私はあくまで自分や人の音楽を作ることだけに専念したいし、自分が並べた”やりたいこと”に集中するためには、それにくっついてくる”やりたくないこと”は全部その道のプロにお任せしちゃいたいっていうのが本音です

ーインタビューを通して感じたけど、本当に逢沢ハナの基本線は変わらずに、逢沢ハナという穴が広く深く変化したっていうだけなんだね

そうかもしれません!逢沢ハナは逢沢ハナのまま残ってます!

ー最後に、活動復帰に際して、読んでる方にメッセージなどあればどうぞ

読んでくれている方、そしてtwitterやSHOW ROOMなど、活動休止中でも絶えず私にメッセージを送ってくれる皆さん、お待たせいたしました!この半年間、私は活動休止をしたらきっと皆さんの中から消えてしまうのではないかと思っていたのですが、ファンの皆さんと触れ合える機会の度に皆さんからの活動再開を応援してくれる声に救われ、無事に半年で戻ってくることができました。みんなありがとう、そしてこれからも逢沢ハナを宜しくお願いします!


09/28(木)@原宿ラドンナ

杉浦良美 Presents 『大人の童話』 ~incarnation・化身~

杉浦良美(Vo) / 逢沢ハナ(Vo) / 杉浦琢雄(Pf) / 小滝満(Key/Cho) / 小林武文(Per) / 清水一雄(Gt)
田尻かをり(Vl) / 竹下景子(特別出演) / Kradness(特別出演) / 六ツ見純代(童話)

18:30 op/19:00 st
前売り¥4,000 当日¥4,500
※ご飲食代別途要

※SOLD OUT



逢沢ハナ

2015年4月より北海道から上京し、弾き語りでの活動を開始。
ピアノ弾き語りシンガーソングライター
等身大の”わたし”を歌っています。

公式twitter
https://twitter.com/mumemo_1215