2016年2月12日、19歳の誕生日を迎えた彼女を取り巻く状況は目まぐるしく変わっていった。初企画となる誕生日企画イベントをソールドアウト、続く3月にはYAHAMA主催ミュージックレボリューション東日本FINAL STAGEにてグランプリを受賞。快進撃を続ける中、タワーレコード渋谷店を中心としたインストアイベント等への積極的な参加など、多彩な動きを見せた2016が終わり、今年2月に20歳を迎えたましのみ。
そんな彼女が2016年を振り返りながら、2017年3月11日に行われるワンマンライブを見据えて、何を思っているのか。
ワンライブ直前のこのタイミングだからこそ聞けるスペシャルインタビュー!

ーレコ発直前になりますが、今回のワンマンってどういった内容になる予定なんでしょうか?

ま:実はまだまだギリギリまでセトリが決まってなくて・・・ただ新しいCDを3/11に出すから、前作「ハッピーエンドが見えません」の楽曲と半々くらいでやっていこうかなーとは思ってるんだけど、でもまだセトリが決まってなくて・・・。

ーかなり直前だと思うんですが!?

ま:でも前回もこれくらいのタイミングまで悩んで本当にギリギリで・・・

ーちなみに編成とかは前回の恵比寿天窓switchから何か変わるのかな?

ま:前回やった恵比寿天窓switchでの編成と同じのと弾き語りもやろかな・・・まだわかんない!

ーもう本当に当日まで何がでるかわからない状態なんですね・・・いっそ楽しみです。

ー2016年、活動の集大成となるのではないかと思うワンマンライブになるんじゃないかと勝手に思ってるんですけど、この機会に2016年ってましのみさんにとってどういう年だったかを振り返りたいなとかこのインタビューでは思ってるんですけども。

ま:2016年は、2月にあったYAMAHA主催のミュージックレボリューションへの参加をきっかけに本当に自分を取り囲む状況が目まぐるしく変わっていった1年だったな・・・そのすぐ後に自分の誕生日企画イベントをやったんだけど、企画をやることも初めてで、色々不安だったり考えなきゃいけないことだったりってのが見えてきたりして・・・それにライブの実力的にも自分が好きな人を呼んでる中でトリを務めるプレッシャーとかもあったんだけど、そのライブが自分の中では納得のいく形で成功したのが自分の中ではまず1つの大きな自信に繋がったきっかけだったなーと今思いますね。

ーあれ、結構自分に自信が無いタイプだったの?

ま:全然無かった!活動を初めて最初の1年は自分の方向性とかもふわふわしてたから余計に無かった!

ーそれでも2月に開催したイベントが成功して自信にもなったし、ミューレボの予選も突破して本戦に進んで行ってたし、当時のましのみを取り巻く環境は周りから見たらものすごい勢いで躍進していってる時期に見えたんだけども。

ま:その後3月のミューレボ本戦でグランプリをいただけたことも自分ではびっくりドッキリな出来事だったんだけども、2月の企画成功と3月のミューレボグランプリを経て、ようやく自信もって「嬉しい私これで頑張らないと!」ってなりましたね。

ー19歳を迎えてからいきなり大きい出来事が2つあって、自分に自信が持てて、いいことじゃない。

ま:でも19歳を迎えたってことが自分の中ではもの凄く恐怖で・・・

ーどうして、まだまだ若いじゃない?

ま:うーんでも私の中ではもう寿命が近い感じがしてるというか・・・

ー寿命!?女子の19歳ってそんな深刻なタイミングなの!?

ま:うーんなんていうんだろう・・・女性SSWをやっている上でそろそろ自分というものを確立できていたいタイミングなのに、まだ「ましのみ」って状態を確立していなくてなんかよくわかんない人って見えかたになっている事に対して、焦ってしまっている自分がいて・・・。

ー19歳にして先を見据えた動き方・・・最近の10代って本当に凄いよね・・・夢を追いながら常に現実と向き合ってるっていうか・・・客観的に自分を見れているというか。

ま:うーんそういう難しい感じかはわかんないけど、とにかく物凄い危機感なんですよ。女性SSWの寿命も早いって話はよく聞くし、今まさに一番最初の旬な時期を迎えつつあるんだろうなって考えたら焦りが凄かったの。ミューレボもそれで焦って出場したって部分もあったんだけども。

ーじゃあもの凄く順調に見えていた去年の2月~3月が最も精神的には追い込まれてたんだ?

ま:うん、凄い焦りだった・・・twitterのTL見ていて、周りの子がデビューとかオーディションのツイートを見る度にヤバイヤバイって思いながら「大丈夫、ましのみできる子大丈夫」って言い聞かせてた(笑)

ーじゃあ「ましラップ」ってそういう時期に生まれたものなの?タイミング的にはその時期だったよね。

ま:そう。なんか色々なものが19歳迎えた途端にドワーッと刺激としてきて、ヤバイ曲作らなきゃ、ヤバイライブちゃんとしなきゃ、ヤバイなんか動かなきゃって状況になってた時だったんだけど、ユニクロのCMを見て、それをパロディみたいに適当にラップしてたら楽しくなっちゃって。軽い息抜きのつもりでラップした動画をtwitterに上げたら偶然それが色んな人に面白がってもらえたみたいで・・・ってのがきっかけ。

ーましラップ誕生秘話が「息抜き」だったっていう衝撃の事実だったんだけど。あれ狙ってやったんじゃないんだ?

ま:うん、全然狙ってなくって本当に息抜きだった。

ー息抜きから生まれた「ましラップ」が今やましのみの中では1つの代表的なコンテンツになってるわけだけど、じゃあ完全にファンとの悪ノリの中で生まれていったコンテンツだったわけなのね。

ま:うん、そうかも。とにかくみんな喜んでくれるからどんどんやりたくなっていっちゃって、これなら自分も自由に動けるコンテンツだし楽しいぞ!ってどんどんなっていっちゃった感じある。それに「ましラップ」をやった事で、自分の中では嫌われる覚悟が出来たきっかけでもあるなって今思い返して見ると思うかも。

ー嫌われる覚悟というと具体的にどういうこと?

ま:それまではプライベートな自分とアーティストやってる自分を分けたいんだかごっちゃにしたいんだかもよくわかってない状態で活動してきていて・・・例えば学生やってアーティストもやって、どっちも上手くやっていい感じにどっちも進めていこうみたいな・・・そういう中途半端な自分っていうのが絶対どこかにいたんだけども、自分のプライベートの1分1秒ですらアーティスト活動のきっかけとして使ってしまうことで拓ける部分があったんだなって。でもそれって覚悟がないと出来ないことだったから、あれをやることで自分のプライベートでの立ち位置とかも全部さらけ出してアーテイストに繋げることがちゃんとできたなって。ましラップのせいで、例えば私の学校生活では「平凡な学生」ってカテゴリじゃなくって「アーティストやってる変なやつ」みたいな見られ方をされる事が絶対増えるんだけど、それでもみんなに知ってもらえて、自分の音楽に触れる人が増えるんだったらそれでもいいなって思えるようになってて、なんとなく私がどんな音楽やってるのか興味なさそうだった人が「ましラップ面白い」って言ってくれる事も増えたから、それでいいんだろうなって。

ー覚悟をすることで退路を無くして、音楽で売れることを一番に考えられるようになったんだ。

ま:うん、意識は変わったと思う。色々捨てることでこそこそ学生やりながらこそこそ音楽やってる自分から、堂々と音楽も学生もやりつつ出来る事はなんでもやろうっていう状態になったと思う。

ーそうすることでアーティストのましのみとプライベートなましのみは一見混ざったように思えるけど、本質はきちんと分離できるようになったんだねきっと。

ま:躊躇がなくなって吹っ切れた分、なんか言われたとしてもアーティストのましのみさん、こんなこと言われてますよー?ってプライベートな自分が冗談めかして言ってあげれるくらいのメンタル的な強さは確実についたと思う。

ータワーレコードにCDが並んだことも2016年の活動では大きなきっかけだと思うんだけど

ま:客観的に自分の需要みたいなものを見れるきっかけにはなりましたね。
わぁ・・・自分のCDってこんなに需要あるんだって嬉しかったし、インストアライブにこんなに沢山見に来てくれるんだ!って驚きも大きかったし。

ーSNSで見ていたけど200人近く集まったんだっけ?

ま:それくらい集まったって聞いてます。インストアライブも無料イベントだから自分的にはステージ上がるまで本当に怖くて。無料ライブだからこそ行かなくてもいっかってなるんじゃないかと自信がなかったけど、ステージ上がってみたらお客さんでいっぱいで。それもまた一つ自分の自信に繋がったなぁ・・・って。

ー2016年は自分自身のメンタルに自信をつけていく出来事多かったんだねこうして振り返ると。

ま:そうかも。色んな幅の楽曲を作れてるっていうのも、その自信がついた出来事が主に作用してるんだと思う。元々指でつっついたら崩れちゃうような湯豆腐メンタルだから、定期的に自信がもてるような出来事が起こってくれると、本来の自分を出していける活動が出来るんだろうなって思ってるから、今後も定期的に自信欲しいなぁ・・・。

ーましのみさんのようにユーモア溢れる楽曲を届けるには、やっぱ心に自信とある程度の余裕がないとだよね

ま:うん、もちろん悲しい曲とか弱い曲とかも書くんだけど、ユーモア溢れる曲ばっかりは心に余裕がないと書けないしやれないかなって。やっても嘘っぽくなっちゃうじゃないですか。それにステージに立ってる時に自信がないとこっちもお客さんもきっとダメになっちゃうから、自信もってないとなって。

ーましのみさんってファンとの距離感が独特だなーって思うんですけど。

ま:え、それ近いの遠いの?

ー近くはあるんだけど、ただ近いんじゃなくて、ファンが求めるましのみ像みたいなものに応えていくというか。

ま:あー・・・それはそうなんですけど・・・。それは私のいい部分でもあるんですが、同時に悪い部分でもあるんじゃないかなって最近思っていて。だから今回のワンマンライブのタイトルが「鉛筆の芯をみつけたい」なんですよね。

ーサービス精神旺盛なのが、逆に自分の芯をぼやけさせてると思うんだ。

ま:「嫌われる覚悟ができた」ってさっき言った部分にはなってくるんですけど、私って大前提に「嫌われたくない」って思いがそもそもあったんです。それはもちろんアーティストとしてもプライベートとしてもなんだけど、だけどそれは同時に誰にも好かれないってこと、好きでも嫌いでもないどうでもいい人ってところに分類されてしまうんだろうなって思って、前途の通り本来の自分をさらけ出していく事で嫌われることもあるけれど、自分のことを好きになってくれる人も同時に出てきて、同時に自分自信の芯の部分を強く意識するようになったんです・・・だから今回のワンマンライブではその芯を見つけたいなって。

ー人の意見をうまく取り入れつつも、自分の意見(芯)はしっかりと持てる自分になりたいんだね

ま:そうそう!

ーなんか話を聞いてると確かにそういうとこあるなと思います。前髪をどうするかをTwitterでアンケート取ったりとか(笑)

ま:あれも色々考えてるんですよ!自分の中ではベストな前髪は決まってて、巻いて流すのがいいの!だけど巻いて流すと、ステージで照明が当たった時に目元に影がかかってしまって、見てる人からは目元が見えづらくなっちゃう。私はライブで目もよく使うので、それを指摘された時に「わぁどうしよどうしよ」ってなって、咄嗟にtwitterで聞いてみようと(笑)

ー自分の意見は「巻いて流す」だけど、それの問題も理解した上で、人の意見を取り入れてベストな答えを出す。もの凄くバランス感覚が優れている考え方だと思うし、そこに「人を喜ばすため」っていう立派な芯があるように思いますけど。

ま:ワンマンの話が前髪の話になって、しかもなんかいい話風にするのやめよ(笑)

ーあら、だめ?(笑)話聞いてるとコンプレックスの塊だった大学生が2016年、自信を持ち初めて「嫌われてもいいんだ」という覚悟を持つにいたり、さらには自分自身を確立するに至るワンマンライブまでの道すじ的なインタビューになってると思うんだけどな。

ま:喋るの苦手だからいっぱい喋ったけど、これまでの話がそういう風にまとまってるんだって思うと今関心してます。

ー前作の「ハッピーエンドが見えません」というCDもそうやって聞いてみるとコンプレックスの塊女子あるあるみたいな感じになってるのかもなと。

ま:「ハッピーエンドが見えません」に関しては、どうしてもコンプレックスサイドの目線のがよく理解できてしまうからこそ、そういった目線の曲がまとまったなとは思います。全曲が全然違う物事やタイミングを切り取っているにもかかわらず、一貫したキャラクターがあるのはそういうところなのかも。真っ直ぐなメッセージも少し捻くれて受け取るところとか・・・あぁ性格出てんなって。

ーそんな中、今回のワンマンライブではCDが発売される予定だけど、今回は自信を持つに至ったところからスタートして制作されてるアルバムなわけだから、前作とは随分と違う内容になってくるのかな?

ま:今回のアルバムは私にしては真っ直ぐな曲が多いかもなぁって・・・あ、念頭に「私にしては」を置いてくださいね!

ー変化球的なアプローチが多かった前作に比べると王道的なアプローチの楽曲が多い予定なんだ?

ま:前作でやったことと同じことをやってもなーって部分もあるし、何より幅を見せたいなって思って。だからこそ今回は王道を!って思って作ってる曲が多いんですよね。ファンの方々にどういう風に届くのかはまだわかんなくて怖いけど、王道だけどもユーモラスなましのみ的観点にはなってるんじゃないかと思いますよ。

ー最終的には総合エンターティメント「ましのみ」ってなっていくのかもね、リリースを重ねる度に。

ま:そうかもそうかも。今まさにキャッチコピーを沢山考えてるタイミングなんだけど「何でも出来ちゃうが個性になればいいのに」ってよく言ってる。一粒で沢山美味しいみたいな。

ーましのみのジャンルはましのみってなったら勝ちなんだろうねきっと。

ま:うん、でもそう見せるにはやっぱ「王道だって作れるんですよー?」って見せられないとなと思うからこそ、今回のアルバムは王道を意識してみようかなって。タイミング的に。

ー僕がよくましのみを「走る遊園地」ってあだ名で呼んでるけど、本当にそうなりそうだよね。総合テーマパークましのみ的な

ま:うーあーえーおー・・・え、そゆこと?いや悪口でしょそれ!

ー褒めてるんですよ!!!

ま:でもそういうのも踏まえた上で、これが最終的に芯になってくるんじゃないかなっていうのが、1個あって。

ーどんなやつ?

ま:シュールな面白さみたいなのが好きだし、そういうのやりたがるから自分・・・多分それは芯じゃないかなって。

ーますますワンマンライブがどういう形で着地するのか気になる言葉を残していくましのみさんでした。

ま:やめてこの終わりかた!

ーシュールな終わり方だと思いますよ?

 

インタビュー:泉になみ


<LIVE Information>

3/11(土)@TSUTAYA O-crest

ましのみ2ndレコ発ワンマンライブ「鉛筆の芯をみつけたい」

18:00 op/19:00 st
前売¥2,500 / 当日¥3,000 / 学生¥1,000(1ドリンク別途)
※SOLD OUT


<Release Information>

2017.03.11 Release
ましのみ
「ましのみのサブアカウント」

【定価】¥1000(本体価格+税)

【収録曲】
1. 四角2の文章題
2.【サポートされていない恋愛形式です】
3. ココアの君はいつだって青い
4. 酸いも甘いも僕のもの
5. ぼたん
6. それ以外
~ボーナストラック~ ふぉんふぉん

【品番】YMPCD-34


ましのみ

高校3年生から本格的な活動を開始。
2014年にはSony Music アーティスト養成講座 the LESSON オーディションで第二期生に選出される。ピアノとギターを用いて生み出される楽曲は、ポップとシュールの間をいったりきたりする独特な語感で作る楽曲の他、キャラクター味溢れる歌声は中高生から大人まで幅広い層に支持される。また、多彩な配信ツールでの活動に長けており、ツイキャスやLINE LIVE等でのライブ配信も頻繁に更新している。また、リズムマシンを用いて編み出される独特なラップ「ましラップ」も度々twitter上で話題となっている。

2017年3月11日に自身最大規模となるレコ発ワンマンライブをTSUTAYA O-crestにて開催する。

オフィシャルサイト
http://mashinomi.wixsite.com/mashinomi

twitter
https://twitter.com/mashinomi55