2017年1月6日、彼女のHP上で事務所所属、それに伴うCDのリリースと全国流通のアナウンスがされた。

現在18歳、これまでたった一人で様々なものを生み出してきた彼女の口から語られる「分岐点」という言葉から始まる一つ一つのメッセージには重みがあり、
「より自分の作る作品に対して追及したい」という彼女の言葉からは覚悟と強さが滲み出ていた。

そんな中、制作された全国デビューアルバム「決めるのは“今の僕”生きるのは“明後日の僕ら”」がいよいよ2月22日に発売となった。

彼女の制作への姿勢や想いを綴る今しか切り取れない言葉達を、インタビューという形で語ってもらった。

ー今回のアルバム制作はどう進んでいきましたか?

湯「今までは自分で1つ1つを作り上げていくことが殆どだったんですけど、アレンジの方とか、エンジニアの方とか、ディレクターの方とか、今回は大勢の方との制作だったので、初体験ばかりでしたね・・・とにかく必死だったなと。」

ー今回のアレンジの方向性も湯木さんご自身で決めていったんでしょうか?

湯「迷想」と「流れない涙」と「74億の世界」の3曲は最初にざっくりとした打ち込みのデモを自分で作って、それをアレンジャーさんに渡す際に雰囲気などを伝えて進めていくという感じでした。」

ー確か打ち込みを初めたのって約1年前の「人間様」って曲をネットにUPした辺りだったと思うんですけど、作品づくりでこれまでと変わったことは?

湯「私が作ったデモから、エンジニアさん、アレンジャーさんと一緒に楽曲のアレンジを考えたりするのは、初めての経験でした。誰かと一緒に作品を磨いて創り上げていくって事は凄く貴重だし、楽しい経験でした。・・・弾いてくれたり、叩いてくれたりする方がいる中で「じゃどうする?」って判断を委ねてもらっても、自分の実力不足で的確に伝えられなかったり。誰かとものをつくるには、もっと明確に像を示さなきゃいけないんだな、ってことを学びました。」

ーでも判断を委ねてもらえたことで、湯木さんが持っている自由な発想力みたいなのを発揮してのびのびと作ったんだろうなって雰囲気はアルバム全体から伝わってきますね

湯「ほんとですか、やった!そうなんです、やりたいようにやらせていただいて!MVも含めて、アートワークに至るまで、言いたいことを言いまくった結果こうなりましたって出来上がりになったんじゃないかなと。」

ー今の「湯木慧」をそのまんま表しているアルバムだと思います。きっとこのアルバムが今後進んで行く自分の帰る場所にもなるのではないかと。

湯「そうなったら良いなと思います・・・今の私をしっかりと形として残せてるし、多分5年後に聞いたら「バカ正直だな」って思ってしまう正直になれない大人になってしまうかもしれないけれど、何かで迷ったり、曲がったり、折れたりしてしまった時にこれを聞いたら戻ってこられるような・・・そんなアルバムになったんじゃ無いかと。」

ーそれは湯木さんだけでなく、アルバムを手にとってくれた人に向けてもそうですよね。

湯「そうなったら、嬉しいですね。」

ー「一期一会」が今回はリードトラックとして1曲目になっているわけですが、これは最初から決まっていたんですか?

湯「そうですね、自分も含めた全員満場一致でこれは1曲目になりました。」

ー湯木慧の楽曲としては割と新しい曲ですよね。

湯「確かに湯木慧の中では新しい曲ですね。ただ、今までの湯木慧を表すというより、初めてアルバムを全国流通するにあたり、色々ある中で分岐点に立つ自分の心情の変化の中で生まれた曲だから、全国流通の1曲目としてこれを置きたいなと思ったんです。」

ー「分岐点」、公式HPでもこの言葉が頻繁に出てくるし、そういった流れの中で、「一期一会」を1曲目にというのは、確かに必然だったのかもしれないですね。

湯「そうだと思います。」

ー湯木慧の楽曲として、今回収録されなかったこれまで歌ってきた曲達は今後どうしていきたいですか?

湯「もちろん今まであったものは”今”の自分の形に作り直していきたいとは思うし、これまで出していた音源の曲も今後の流れの中で、どうしていこうか、もちろん考えています。以前出していたCDはもう廃盤になっているものもありますし、手に入らない人はいると思うので、いつかまた別の形にして、みなさんへ届けたいなぁと思っています。」

ー今回アレンジに関しても曲によって色々なことを試しているようにも思いますが。例えば「網状脈」の歌声に少しエフェクトを加えたことは?

湯「これは自分からやりたいって言ったんです。もともと「網状脈」は、不安とかミステリアスな雰囲気のある、ちょっとゴチャゴチャしてた感じにしたいと思っていた曲だったので、結果としてあの形になりましたね。」

ーこのアルバムの最後を飾る「74億の世界」のアレンジに関しても本当に驚きました。アルバムの中で唯一、編曲:湯木慧 とクレジットされている曲だけに、先に歌詞カードから見ていたから期待に胸を膨らませて聞きました。

湯「ライブでも沢山やってるし、ネットに既に上がっている音源もあるので、みんなの耳に馴染んでいるからこそ、違うことをしたかったというのもあります。とにかく「言葉」を伝えたかったからあのアレンジにしてみました。」

ーあんなにいい終わり方をしているからこそ、すぐ1曲目に戻りたくなって「一期一会」に戻ってしまうという。そして「74億の世界」に繋がる「流れない涙」が本当にいい流れですよね。

湯「これが一番新しい曲で、このCDを作るってなってから唯一書き下ろした曲です。」

ー本当にこの曲の言葉一つ一つが刺さってくるし、スケール大きいことを言ってるのに、なぜか自然にすっと心に入ってくる曲だと思います。

湯「ありがとうございます!」

ーこの曲も含めて、このアルバム、「正直で潔い」。湯木さんの魅力が詰まっていると思いました。

湯「よく聞く言葉だけど「等身大」になってるのかもしれませんね。」

ーこのアルバムを通して湯木さんが伝えている言葉の1つ1つが、湯木さんだけでなく、今の若者が置かれている状況を歌っているような気がします。

湯「同い年くらいでやる前から諦めてしまう人は沢山いて・・・みんなやればいいのに、やってみようよって思うことが沢山ある中、自分は諦めずにやってみてるって感じは、凄くあります。でも怖いこともあって・・・」

ーと言いますと?

湯「もし何も作れなくなってしまったら、もし何も出てきてくれなくなってしまったら・・・そういう時に、どうしたらいいんだろうってなっちゃう気がするんですよね。良くも悪くもその時に目の前にある物に対して思ったことや感じたことを作品にしているから、何も感じなくなってしまった時が来てしまったらどうしたらいいんだろうって・・・今まで正直に作ってきて、アルバムも今の私に正直な作品になっているからこそ、それは同時に怖いことでもあるんだなって「分岐点」を意識した時に感じましたね。」

ーそういった不安や怖さ、覚悟も含めて全てを背負うための「分岐点」が今なのかもしれないですね。

湯「そうです。分岐点だからこそ、そういうことにも全て向き合っていかないといけないと思っています。とても怖いですけど。」

ーこのアルバムを手に取る人達も、同じようなことを怖がっていて、だけど湯木さんに託している部分もあると思います。昔だったら子供達が夢や希望を託すのは大人だったと思うけど・・・だけど今は大人を信じてない。そんな子供達が夢を託すのは、進んでいこうとする同世代の子に夢を託すんじゃないかなって思っています。

湯「もしそう思って託してくれているのなら嬉しいです。励みになるし、大切にしたい。それに全ての曲に思うんです、自分が意図したことと違った見方や価値観で私の曲を捉えてもいいし、それで結果救われたりすることがあれば、それはとても嬉しいことだなって。例えばどっかの宇宙で私の歌が違う歌になっていたとしても、それが励みになってくれているならいいなって。」

ー「流れない涙」も苦しさを歌った曲ですけど、最後は救われるような作りになっていて、聞いてる僕は物凄く救われた気持ちになるし、他の曲もそう、全部最後は救いがある気がします。

湯「「流れない涙」は特にそうかもしれないです。アルバムを出すことが決まった中で色んなプレッシャーに押しつぶされそうになっていた中で生まれた曲で、そういった状態で曲を作ることも初めてだったし、それに苦しんでいた自分も初めてでした。どの曲も自分に対して歌ってるってところはあって、もちろん聞いてくれているみんなに向けても歌っているんだけど、どちらにしても最後は救われてほしいし、救いたいなって全曲に思います。みんなも自分自身に対しても。うん、みんな救われて欲しいな。」

ー「救い」を提示する言葉のチョイスは18歳らしさが表現されていると思います。その対極にある絶望の表現では、18歳らしからぬスケールで物事を考えているというか・・・特に「流れない涙」の最初の部分は、人間であることへの落胆からはじまるという・・・。

湯「感じ方や伝わり方は人それぞれですけど、例えば明日が急になくなるかもしれないし、明日にでも何かの事故で死んでしまうこともあるかもしれないし、そんなことを思ったら私は人の一生って本当に短いと思ってます。すぐ動かないと時間は無いと。」

ーその感覚も今の18歳のリアルなのかもしれないし、湯木さんなりの「生きろ」っていうメッセージなのかな。

湯「うん、若い人が諦めてしまうって話はさっきも出ましたが、今の高校生や若い人は現実と常に向き合って、本当に必死に日々の進路とか今後のこととかを考えて生きてるんです。夢や希望より先に現実を見てるし、どうあがいてもそれは見えてしまう中で、だからこそ、諦めないで生きて欲しいって私は思うんです。それが作品の中に反映されているのかもしれないです。」

ー 湯木さんのファンという枠組みだけでなく、日々の中で何かを表現することを諦めないでってメッセージは聴く人や同じ表現者や、全ての人に対して向いていますね。

湯「はい。私は良いものは良いって言われてほしいって常々思います。そういう社会であって欲しいし、そういう風に変わって欲しい。表現する人間としてはそういう想いは日々募るんですよ・・・そして聴いた人も良いものにはちゃんと良いって言って欲しいです。」

ーこういった価値観も含めて、「この小さな体で身近なことをこんなに大きなスケールで考えて表現してる」ってことがしっかり伝わって欲しいと思います。

ーアルバム発売に合わせて、湯木さんとしては初めてとなるワンマンツアーがはじまるわけですが・・・

湯「そうなんです、初の東名阪ツアーです。音楽の部分だけでなくて視覚的にも楽しめるようにしたいなとは考えてます。」

ーミュージシャンとしてだけでなく、表現者としての湯木さんを堪能できるライブになると?

湯「そうですね、もちろん各会場毎に世界観を作りたいから・・・ステージ装飾とか、映像の演出とか、全部詰め込みたいなとは思ってます。大阪と名古屋はカフェでのライブになるので、もともとある装飾を生かしつつ何ができるか、今考えてるところだし、ツアーファイナルの東京公演も何ができるか、自分でやれる範囲で想像力を膨らませてるところです!」

ー全公演周っても、湯木さんの拘りが満載で、それぞれが別のものとして楽しめそうですね。

湯「どうしても全て違うものにしたがってしまって・・・(笑)ただ、ライブに直接足を運んでもらうということの難しさは自分で痛感もするので、だからこそ拘りたいんです。せっかく足を運んでもらったからには、CDを聴いたのと同じ感覚で帰るんじゃなくて、会場の空気も含めて「体験」であって欲しいなと思います」

ー「体験」って言葉は確かにぴったりかも。ライブを「観る」という感覚よりかは「体験」に近いなとは僕も思います。

湯「全部ひっくるめて、現在絶賛制作中です!でも初めてのツアーだし、沢山の人に勿論来て欲しいです」

ー最後に、このアルバムを受け取った人達に向けてインタビューを通してメッセージがあれば

湯「長く、長く聴いて欲しいです。何かしらの節目ごとに聞くと、その都度で絶対違う受け取り方になるんですよ。このアルバムの曲たちはそれぞれに情景やメッセージが詰まっていて・・・だからこそ、どんな時に聞いてもどれかの曲が助けになったり励みになったりするかもしれない。5年後でも10年後でも、何か大切なことがあった時、どんな時にでも聴けるアルバムに、なっているんじゃないかと思います。ちょっと人生を考えるとき、自分の今の状況を見つめる時間としてこのアルバムが作用してくれたら嬉しいです。」

 

インタビュー:泉になみ


<Tour Information>
初の全国リリース記念 東名阪ワンマン2017
「脈」~繰り返す命の輪廻~

3.21(火):大阪 cafe ROOM
【チケット申し込み】
https://ssl.form-mailer.jp/fms/f2788bb7487975

3.22(水):名古屋 鑪ら場
【チケット申し込み】
https://ssl.form-mailer.jp/fms/c0c5c36c487979

3.26(日):東京 Starlounge (FINAL)
【チケット申し込み】
https://ssl.form-mailer.jp/fms/cf604a13487984


<Release Information>


2017.02.22 Release
湯木慧
1st Mini Album
「決めるのは“今の僕”、生きるのは“明後日の僕ら”」

【収録楽曲】
01. 一期一会
02. 網状脈
03. 迷想
04. 流れない涙
05. 74億の世界

アルバム特設サイト
http://www.ldandk.com/yukiakira_1st/


湯木慧

幼少時よりアコースティックギターに親しみ、高校1年生の時からライブハウスや路上でのライブを本格的にスタートさせる。
シンガーソングライターとしての活動のみならず、イラストや舞台装飾、衣装の制作も自身で行うなど、弱冠18歳にして、その活動の場は多岐に渡る。
2017年2月22日に、彼女の高校卒業直前のタイミングで、自身初の全国流通盤ミニアルバム「決めるのは“今の僕”、生きるのは“明後日の僕ら”」をリリース。
本作には「出逢い」「別れ」「生」「死」「脈」をキーワードに掲げた5曲が収められる。

オフィシャルサイト
http://yukiakiraoffical.wixsite.com/yukiakira-offical

アルバム特設サイト
http://www.ldandk.com/yukiakira_1st/

twitter
https://twitter.com/reo_guitar